もうひとつのいざ鎌倉~昨年度チャレンジャーの一年~

この記事では、「もうひとつのいざ鎌倉」と題し、昨年度(2020年度)のチャレンジャーの方に焦点を当てて記事を執筆します!
各チャレンジャーの方に1分ほどで、この1年間の変化を語って頂きましたので、それをまとめました。

まずは、株式会社IKUSAの元親さん

昨年度の発表概要はこちら。

「日本全国の城郭を利用し、日本及び海外の人々から注目される新たな日本の祭典を創出する」

もともとIT企業で働かれていた元親さんは、合戦フェスというイベントに参加したのをきっかけに、チャンバラの魅力にひかれ、全国に広げる活動を行っています。昨年はなんと250以上ものイベントに呼ばれたとのこと。そんな元親さんは全国にあるお城を「活用」しチャンバラを行う事業プランを発表しました。

いざ鎌倉を経ての一年間は、コロナ禍でも全国のお城約25箇所でチャンバラ合戦を開催。11月上旬には、鹿児島城でのイベント開催など、コロナの影響を受けながらもますます活躍の機会を広げていきました。そして、2022年5月には江戸で合戦フェスを開催予定で、コロナの収束とともに今後もオフラインのイベントを全国で順次開催していく、と力強く語って頂きました。

続いて、シェア・リ・グリーンの瀬戸山匠さん

昨年度の発表概要はこちら。

「自社ブランド、「やさいのキャンパス」を利用して幸せな朝食をデザインする」

瀬戸山さんは幼少期のご自身の経験から「孤食」をなくしたいと、「やさいのキャンバス」という野菜からできたチューブを開発しました。食パンにこどもたちがお絵かきをしながら家族のコミュニケーションがとれるという商品です。また、長野県飯綱町のみなさんと連携しながらできた野菜をチューブの原料にしているので、こどもの野菜嫌いも克服できます。

この1年間で多くのイベントを開催。子供食堂とコラボしたワークショップの開催や、藤田歯科医院、株式会社パルコ、パナソニック株式会社、903シティファーム推進協議会、越谷レイクタウン、ねこねこ食パン、ハレパン、かまやなどの多くの企業・団体とコラボを実施されました。コラボをした企業・団体、その数だけでも、瀬戸山さんのご活躍ぶりが分かりますね。さらに自社ブランド「やさいのキャンパス」の商品改良を重ね、賞味期限を伸ばすことにも成功したそうです。

続いては、株式会社ふくべ鍛冶の干場健太朗さん

昨年度の発表概要はこちら。

「古くて新しい、かじやの窓口を全国展開したい︕」

干場さんは現在、鍛冶屋として新しい取り組みを進めています。車で移動しながら地域の皆さんの刃物を研いだり、刃物を安全に配送できるボックスを開発して全国から集まった刃物を研いだり。物を大事に長く使うことが大切だという想いをもち、全国のより多くの方の刃物を研ぎたいと、包丁を研ぐ機械の開発を目指しています。

干場さんの一年は、まず「ポチスパ」に言及すべきでしょう。2018年にリリースしたネットで簡単注文、包丁研ぎ宅配サービス「ポチスパ」の業績が拡大。いざ鎌倉出場後は売上を前年比2.5倍とし、来年度にはさらなる業績向上が見込めるため、自社工場の建設までを予定しているそうです。今後は食品系の民間企業や産業支援機関とアライアンスによる潜在的な需要を掘り起こし、事業モデルを確立させ、最終的には海外展開を狙う、と。ネットでポチっとしただけで、スパッと切れた包丁が届く、私もいつか使ってみたいです。

四番目は、株式会社ローカルフラッグの濱田祐太さん

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「飲めば飲むほど“海が綺麗になる”をコンセプトにしたクラフトビールの醸造所」

濱田さんは、学生版のAWAEDで優勝し、今回鎌倉AWARDにも参加されました。京都府与謝野町はホップの有名な国内でも珍しい地域です。この地域の産物を活かしクラフトビールを作りました。また、与謝野町では牡蠣がたくさん生息し、海が汚れてしまっています。その牡蠣をビールの製作に活かし飲めば飲むだけ海が綺麗になるをコンセプトに事業をつくりました。

濱田さんは、なんといざ鎌倉終了直後にクラウドファンディングを開始しました。そのmakuakeでのクラウドファンディングで、約3時間で目標金額の50万円を達成。購入総額は約350万円、サポーターは523人という想定よりも大幅に多い数値を記録。また売れ行きが好調なため、今年度からは缶ビールでの販売を開始し量産化の体制を構築されたそうです。2023年に自社工場を完成予定、本アワード審査員長でもある柳澤氏が代表を務める面白法人カヤックより出資を受けるなど、来年度の活躍にも注目ですね。

次は昨年度グランプリ、テンペストハイウインドインクのコノミアキラさん

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「アートとコスプレにより地域の魅力の掘り起こしと新たな魅力の創造を行う」

コノミさんはもともとスキーでオリンピックを目指していましたが、昔からアニメやコスプレが大好きだったそうです。そしてコスプレイヤーに転換し、今ではなんと世界を代表するコスプレイヤーになりました。そんなコノミさんは地域の伝承をキャラクター化し、コスチュームにして地域を盛り上げる事業を発表しました。

コノミさんは、この1年間を卵がひよこになった一年、と表現されました。事業以外の組織面でも多くのことを考え、行動に移しました。事業面では、ドラクエで有名な、兵庫県立淡路島公園内に位置する屋外型テーマパークドラゴンクエストアイランド内の衣装製作を開発元であるスクウェア・エニックスより受託し、製作しました。さらに小学館等の企業とコラボしたコスプレイヤーの開発にも注力。他にも地方創生×コスプレとして、京丹後市のPVの制作も手がけました。さらに世界初のコスプレメイク検定協会を設立し、理事長に就任し、今後はこのライセンスを専門学校に販売予定。と表現以上の活躍ぶりを見せてくれました。

6番目は、my product株式会社小山翔さん(※お写真は小山さんの代理の方です)

昨年度の発表概要はこちら。

「地域の手仕事を巡る、産業観光のプラットフォーム」

小山さんは地域の深い文化や伝統を観光プランとして提案するプラットフォームを発表しました。地域の職人さんや旅館がその土地や伝統のよさをより観光客に味わってもらえるよう、その地に深く関わりながら観光プランを一緒に作り上げています。

この一年、コロナウイルスで対面イベントは大きく影響を受けたそうです。しかし事業コンセプトを認められ内閣府の「かかわりラボ」にメンバーとしての参加をはじめとして、下田市とふるさと納税対応の体験プラン提供に向けて契約締結、KDDI等を中心とした、液浸スモールデータセンターの実証実験に参画するなどアワードをきっかけに協業を加速、着実に実績を積み上げられた1年間でした。今後は地域の仕事×〇〇=地域のファン、という構図で地域自治体が抱える課題を解決し、地域のファンを増やすことを画策しており、ますますプラットフォームが拡大しそうですね。

最後は、一般社団法人ニンジャタグ協会の荒木崇さん

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「地域の手仕事伊賀を元気に”日本を元気に!”もっと忍者で楽しもう︕次世代忍者スポーツイーニンジャ」

荒木さんはニンジャで有名な三重県伊賀市の忍者文化を広げるため、センサーで楽しめる手裏剣を開発しました。忍者という言葉は9割以上の外国人に認知されている言葉です。その忍者という文化を伊賀でもっと活かすため、サバゲ―のようにたのしめる手裏剣やイベントを企画しています。

アワード出場後、まず伊賀市より依頼を受け伊賀市の観光プロモーションビデオを製作。これはぜひ皆さんに見て頂きたいのですが、忍者でうまく伊賀市の魅力を表現されているユニークなビデオです。コロナの影響でリアルイベントは大きな影響を受けたそうですが、レーザー手裏剣、ソーシャルディスタンスを保ってのプレイ、忍者なのでマスク着用と、コロナ禍における非接触イベントとして打ち出し伊賀市助成金を受け、現在は次世代忍者屋敷「e-Ninjaドーム」の開発に取り組んでいます。2月22日の忍者の日に正式リリースを予定しており、忍者ですが忍んでばかりはいられない、とコロナ収束に伴ってますます拡大を見せるでしょう。

2021年11月17日