【チャレンジャー紹介】新田理恵『日本の薬草で、循環するからだと経済をつくる』~世界に誇る日本の薬草文化を~

本記事では、選ばれしチャレンジャー7名の一人、新田理恵さんをご紹介します。

新田理恵さんは、伝統茶のブランド『tabel(タベル)』の商品企画、販売をするTABEL株式会社を運営されています。「tabel」で扱うお茶は、新田さん自身が北海道から沖縄まで、日本各地の薬草文化をリサーチしており、各地に根付いた在来種ハーブでこだわりを持って作っています。何かと忙しい日々を過ごしがちな私たちですが、新田さんのお話を聞き、お茶を飲んでいる時間を想像することで、心がとても穏やかな気分になりました

tabelを立ち上げるまでのストーリー

伝統茶のブランド「tabel」で食品や飲料を販売されている新田さんですが、なぜお茶なのか。なぜ、食に強いこだわりと使命感を持っているのか。その答えは、新田さんの幼少期にありました。新田さんは、小さい頃からとにかく食べることが大好きで、パン屋の娘として生まれ育ったこともあり、食という行為がとても身近なものだったそうです。しかし、そんな新田さんにある転機が訪れました。高校二年生の時、お父さんが糖尿病を、親友が拒食症、過食症を患いました。大切な人が食で苦しむ所をみて、食べるという行為は身体を作り、人生の基盤になるもの。だからこそ慎重に扱わなければならないし、大切な人に何もできない自分の非力さを悔やみました。

そこから大学に入り栄養学を専攻し、食との関わり方を模索する中で、手軽に、でもきちんと長く続けられる、日本の薬草茶の文化に出会いました。薬草文化に出会った新田さんは、その奥深さにどんどん引き込まれていきます。そして現在の「tabel」の着想を得た新田さんは、全国各地に実際に出向き、ブランドの立ち上げに奔走します。なんとこれまで、39都道府県で薬草探しを行ってきたんだとか。

食生活のアップデートを幅広い年代に

新田さんは、お茶で健康を支えるだけでなく、さらに幅広く食生活そのもののアップデート志しています。実際にtabelでは、身体に優しいコーラやジンジャーエールなども販売されております。またホームページでは、パナソニック、ロフトワーク、カフェ・カンパニーの3社が合同で100年後の未来を創造する若者のためのアクセラレーションプログラム「100BANCH」の支援を受けて開発されたAIによる食養生機能「Qusnoki(クスノキ)」も搭載されており、食生活のアップデートを幅広い年代の方に届けていることがわかります。日本の薬草文化をみんなと一緒に楽しみ、健康になりたい。そんな想いで活動されてきた新田さんの周囲には、農家さんやパートナー企業まで、たくさんの同志がいます。

世界に誇る日本の薬草文化へ

最後に、新田さんにこのアワードで期待していることを伺いました。新田さんは、地方創生・社会課題解決のプロフェショナルが集うこの鎌倉で、より多くの人に日本の薬草文化について知り、暮らしの中に役立てて欲しいと考えています。またより多くの人に薬草文化を届けるため、その持続可能性を担保するためのビジネスパートナーも募集しています。日本の薬草文化から、新しい健康と親しみのある経済を日本中へ、そして世界へも届けていきます。

(文・公益社団法人ジャパンチャレンジャープロジェクト事務局 高橋勇作)

2020年9月30日