【チャレンジャー紹介】善積真吾『リユース容器シェアリングサービス| Megloo(メグルー)』~人の想いを巡らせ、地域の魅力を広める~

本記事では、選ばれしチャレンジャー7名の一人、善積真吾さんをご紹介します。

善積真吾さんは「ローカルの魅力を創り、広める」がコンセプトであり、鎌倉を拠点とする株式会社カマンの代表を務めています。現在は、テイクアウト時のゴミを減らす、リユース容器シェアリングサービス|Megloo(メグルー)を開発しています。地域の課題を解決し、街の皆さんに喜んで貰えることが嬉しい、と仰っていた善積さんですが、株式会社カマンを創業する以前は、新卒から16年間ソニー(株)に勤め、新規事業の立ち上げにも従事してきたそうです。日本を代表する大手企業から、地域の魅力を創り広める会社を立ち上げるまで、その過程と今後の展望を伺いました。

Meglooを着想するまでのストーリー

コロナ禍で飲食店は時短営業を迫られる中、多くのお店がテイクアウトサービスをはじめました。しかし、素敵なお店がテイクアウトをはじめても、認知されていない現状をもったいない。と感じた善積さんは、スピーディーにテイクアウト情報のまとめサイトを制作しました。有志で行った活動でしたが、身近な存在である地域の飲食店の方に喜んで貰え、大企業の新規事業立案とは異なる魅力を感じたそうです。そしてMeglooへの着想を得たきっかけも、とても身近な所にありました。それは、当時3才と1才の息子さんと散歩をされていた際、息子さんがゴミを拾ってきて、善積さんに手渡しをしたそうです。何気ない日常の一コマですが、そこからゴミの多い社会について考える機会を持つようになりました。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, Web サイト 自動的に生成された説明

人の想いが巡るプロダクト創りを

善積さんにとって特に印象的だったのは、テイクアウトを利用する際の周囲の声でした。周囲には、テイクアウト時のゴミの多さに罪悪感を抱えている人が多く存在しており、この課題を解決することでユーザーの利便性と飲食店への付加価値の提供、さらに前職でハードウェアの開発に携わってきた自身の経験が活かせるのではないか、そう考えてMeglooの開発に着手しました。現在Meglooは鎌倉にある約10店舗で実証実験準備中であり、ユーザーはスマホで簡単にリユース容器を借りることができて、対応店舗であればどこでも返却可能。と、テイクアウト時のゴミの削減に貢献するプロダクトであるMeglooですが、善積さんがこだわりを持つ部分は他にもありました。それは、エコの押しつけにならず、鎌倉の飲食店の方がこだわってつくった美味しい食品を届けること。提携するお店は地産地消で食材にこだわり、本当に美味しくて、そんな飲食店の方の想いが巡るプロダクトでありたい、と仰っていました。

テーブル, カップ, 屋内, 皿 が含まれている画像 自動的に生成された説明
(テイクアウトは美味しいが、食べた後のゴミのちょっとした罪悪感)
ボウルに入った料理 自動的に生成された説明
(リユース容器を用いたテイクアウト)

鎌倉の名店を、全国へ

最後に善積さんにこのアワードで得たいことを伺いました。まずは、Meglooの取り組みをしっかりと認知してもらい、神奈川県内での拡大を目指しています。またMeglooの事業モデルは日本全国の地域へ展開可能であり、ともに事業を推進するパートナー企業も募集しています。さらにMegloo同様、飲食店の方のサポート事業としての通販事業も構想されています。鎌倉の名店の味が、全国どこでも食べられるようになる。これはローカルの魅力を創り、広めること。まさに株式会社カマンのコンセプトが体現されている事業が、この鎌倉の地で始まろうとしています。

(文・公益社団法人ジャパンチャレンジャープロジェクト事務局 高橋勇作)

2020年9月30日