【チャレンジャー紹介】濱田祐太『飲めば飲むほど、海がキレイになる』思い出の詰まった故郷・与謝野長を、若者が働きたくなる仕事のある持続可能なまちへ。

本記事では、選ばれしファイナリスト7名の一人、濱田祐太さんをご紹介します。

生まれ育った故郷を持続可能なまちに

濱田祐太さんは、株式会社ローカルフラッグ代表取締役、京都府与謝野町出身です。与謝野町は、山・川・海という自然資源が一つの町内に凝縮されており、まだ活かしきれていない資源がたくさん眠っているところです。

濱田さんは魅力的な雇用と地域課題解決をもたらす持続可能なまちづくりに取り組んでおり、現在は、まちの人事部として、地域企業と都市部人材の兼業マッチングをしています。

彼の出身地である与謝野町は、人口が2万人の小さな町で、人口減少によって「担い手不足」と「財政難」の課題を抱えています。その課題の一つの要因は「若者が働きたい仕事がない。」ということです。彼自身も就職活動時、働きたいと思えるような、若い人が、地域や社会を変えようと様々なチャレンジを行っている会社が地元に無かったのだそうです。だからこそ、「若者が働きたいと思える仕事」を産み出すために、地域資源を活かし、地域課題を解決する事業を起こしていきたい!と強い想いを持って事業に取り組んでいます。

飲めば飲むほど、海がキレイになるクラフトビール?!

与謝野町は、国内でも珍しいホップの産地で年間、約2トンのホップが栽培されています。みなさん、ホップってみたことありますか?ホップの匂いを嗅いだことがありますか?ホップ畑は爽やかな香りに包まれており、割ると柑橘の香りと麦の甘みがふわっと鼻を包みます。そんなホップをふんだんに使用し、香りを凝縮した飲み心地の良い一杯が濱田さんの作るクラフトビールです。

一方、与謝野町に面する日本三景“天橋立”では「牡蠣の大量繁殖」によって、景観悪化や悪臭の発生をもたらしています。それも生で食べるには少し味が劣る牡蠣なので漁師含めて放置されてしまうのです。そこで、牡蠣をクラフトビールの「水質の調整」や「酵母の濾過」の資材として活用することで、与謝野町の環境課題を一緒に解決できるのではないかと考えました。

「asobi」心とワクワクでお客様に最高の一杯を。

まずは小さい設備投資から始め徐々に拡大させる予定ですが、中でも濱田さんが大切にしている想いがあります。それは、仕事も日常生活も、「遊び心」をもって、取り組む人に寄り添うことです。例えば、プレゼンが通って新しいプロジェクトが始まったときや、新しいチームが始まったとき、新しい生活が始まるという心躍る未来に向かおうとするその瞬間に、飲んでもらうビールを目指しています。このクラフトビールは濱田さんと同年代でもある20~30代の若者をターゲットとしています。牡蠣殻が集積する海がかつて「あそびの海」と呼ばれていたこと、海がきれいになること、また醸造所を作りワクワクするエリアを作りたい思いからブランド名を「asobi」とし、お客様とともにビールを作っていく体験を提供していきます。

一杯のビールから、「仕事を生み出す」そして「地域課題を解決する」。そして地域の資源であるホップと地域の課題である牡蠣を組み合わせることで持続可能な地域をつくり、クラフトビールを通じて「人と人」「人と地域をつなぐ」かけはしになっていきます。

ライター:事務局 樽本

2020年9月30日